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t以上(ハチミツ程度)になればまったく効かなくなります。
我が国の流出油事故の特徴として、外国では原油の流出事故が多いのに比して、C重油等粘度の高い油の流出事故が多く、この対策として、今回の高粘度油にも対応できる油処理剤を開発したものです。
実験室レベルの試験では、約100,000cSt(水飴程度)の油も分散できましたので、世界的に見ても優れた油処理剤といえます。

 

世界で開発されている油処理剤には、どのようなものがあるか。
現在、世界的には、次の3種類の油処理剤が市販されています。
?通常型油処理剤
界面活性剤を炭化水素系の溶剤に溶かしたものです。通常、原液のまま散布するのが理想的であり、かつ、散布後撹拌を必要とするタイプです。
?濃縮型油処理剤
乳化剤、湿潤剤等が混合され、通常タイプの油処理剤と比較して界面活性剤の含有量が多く、一般に油の分散効果が大きい製品です。
散布に当たっては、あらかじめ海水で10倍に希釈して使用し、散布後撹拌を必要とするタイプです。
?自己撹拌型(セルフミキシング)油処理剤
濃縮型油処理剤より高性能の製品で、流出油に無希釈のまま散布し、散布後特別に撹拌する必要がなく、波、風の自然の撹拌力で油処理剤が油層中に浸透し、乳化分散させます。
この特徴から、主として航空機から散布されています。

 

油処理剤はどのような成分で構成され、流出油防除においてどのような働きをするのか。
油処理剤とは、水面の浮遊油に散布し、撹拌することによって、速やかに油を微粒子状態に乳化分散させ、かつ、最終的に海底に沈降せず、自然浄化を受けや

 

 

 

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